料理人、調理師2年目の生活について【給与、年収、仕事内容、労働時間】

今回は料理人、調理師2年目以降の生活について現役料理長の筆者が経験談で語っていきます。
前回の続きになります。
よろしければこちらもお読みください。
前回の記事

料理人、調理師2年目以降の生活について

2年目からキッチンデビュー!

筆者が新卒で入社したレストラン(マチバ)は国内でもいわゆる老舗のフランス料理店になります。

1年目はホールからスタートし、その後料理長に認められればキッチンに入ることができるシステムになっていました。
そしてホールでの業務も無事1年が経ち、チャンスが到来します。

まずは完全にキッチンに入る前に【賄い当番】を兼任することになります。
ちなみにレストランの【賄い当番】は基本的には1年目、2年目の若手がやるところが多いです。

この賄いの出来によってキッチンに入れるか否かが決まります。
キッチンに入ることのできなかった先輩たちはこの賄いで上手くいかず、結果的に辞めていきました。

2年目の給与、年収、労働時間

2年目も昇給がないので変わりません。

月給約17万
手取り約14.5万円(2年目以降から住民税がかかるため手取りが少なくなる)

年収約210万

休日月6日

月間労働時間350~420時間
1年目より時間数が増えます。
そして筆者の経験上この2年目が一番労働時間が長い期間になります。
その理由は後程

2年目は総合的に労働時間だけが長くなりました。

 

最初は賄い業務、ホール業務、後輩指導を全て兼任

なぜ労働時間が長くなったかというと通常のホール業務にプラス賄い業務が追加されたためです。
まずは賄い業務で認められなければ正式に厨房に入れません

この賄い業務ができる時間はキッチンの先輩が来るまで(朝9時頃)の時間と、賄い時間の約30分前の仕上げのみになります。
つまり、使える時間は先輩が来るまでの朝の時間しかありません。

必然的に出勤時間を早くして作業をするしかないです。

朝7時~9時まで賄いの仕込み
9時~ホール業務
14時半~15時で賄いの仕上げ
1~1.5時間休憩
ディナーホール業務
23時半~24時退勤

このような流れになるため、かなり厳しいと思われるでしょう。
しかし、全てをやるしかありません。

賄いは1日に15人~20人前を作ります。

仕上げの時間はほとんど盛り付けや準備以外は何もできないと考えた方がよいので朝の時間で90%は完成させておく必要があります

実は相当効率的に時間配分を考えなければ飲食業の1時間、2時間でできることというのは限られています。
最初は料理の完成度はおろか、間に合わせることさえできないです。

また、ホールでは後輩も入ってきますので後輩指導にも力を入れます。

 

筆者のレストランの賄いの条件

当時の筆者の勤めていたレストランの賄いにはいくつか条件がありました。

  • 金額は1日1人100円(15人~20人なので1日1500円程度で作る)
  • 主菜、副菜、汁物等最低でも3品以上は作る
  • 名前の付いているスタンダードなメニューのみ作る(自己流のアレンジや創作料理、名前のわからないメニューは作らない)

上記のような条件で作ることが前提となっていました。

ちなみに賄いの会計はお店の仕入れとは別にしてあるためお金のやりくりも個別で上手くやらなければなりません。

賄い(まかない)の雑学

飲食業と聞くと賄いと思い浮かべる方もいると思いますが、正式には賄いは日本全国どのお店でもタダで食べることはできません
従業員に賄いをタダで提供することは会計学上は脱税になります

そのため、求人募集などを見て賄いがタダと書かれていると飲食店は正式にはお店と従業員どちらも脱税をしている扱いになってしまいます。
個人店や小さいお店ではこういった知識がそもそもない人も多いので、細かいことを気にしない人もいますが、本来はいけないことです。

しかし、こういったことは税務調査をしないとまず発覚しませんのでスルーしているところが多いと思います。
ここでは詳細は割愛しますが、知識としては知っておくようにしましょう。

よくわからない方はとりあえず、飲食店で賄いをタダで食べることは会計上は正式にはできないと覚えておきましょう

そのため筆者のレストランでは賄いは個別に運営していました。

 

料理人、調理師(キッチン)2年目の仕事内容

朝は賄いの準備【約1~2時間】

朝は賄いの準備をします。
出勤時間は決まっていませんが、とにかく準備が間に合う時間に来る必要があります。
筆者の場合は7時か7時半までには出勤していましたね。

先輩たちが出勤する時間が9時ごろになるため、それまでにほぼ終わらせておく必要があります。

朝の厨房は1日でも一番重要な時間のため先輩たちが出勤した後は厨房内はかなり殺伐としています
その中で悠々と賄いを作っている時間はありません。
そのため先輩たちが来る前に意地でも終わらせておく必要があります。
時間の使い方を間違え、先輩たちが出勤しても賄いの準備が全く終わっていなかった場合その時点で終わります。

終わるというのは準備が終わっていようが、終わっていまいが、終わらせられてしまうということです。
当然その日の賄いの時間は遅れ、休憩時間は取れず、先輩たちに相当に怒られることになります。
良いことは一つもありませんが、誰しも通る道なので1回くらいは大目に見てくれる人もいるかもしれません。

基本的に2回以上のミスはご法度です。

朝7時~9時までの約2時間で賄い約15~20人前を作っていきます。

その後、着替えてホールに出てランチ営業のスタンバイ

着替えてホールに出ます。
この時点で9時半頃になっているためランチ営業のスタンバイをします。

後輩もいますので掃除のやり方も教えつつ、細かいスタンバイをしていきます。

ランチ営業

1年ホールを経験するとほとんどすべての業務はできるようになっています。

お客のご案内から接客、お会計までできるようになったので特に問題なく進めていきます。
どちらかというと後輩指導に力を入れることになります。

ランチ営業が落ち着いたらキッチンで賄いの仕上げをする【約30分】

ランチの営業がひと段落したら着替えてキッチンに入り賄いの仕上げをします。
ここで使える時間はせいぜい30分程度なので、何かを【作る】というよりはもう【仕上げる】、という工程です。

ちなみに先ほども言いましたが、朝の段階で準備が合わっていないと賄いの時間が遅くなり、全員の休憩がなくなります。

先輩の(料理人)はただでさえ疲れているのに休憩の時間まで無くなったらたまったものではありません。
そういった意味では一番下っ端は特に時間厳守と気配りが必要になります。

 

その後、休憩【約1時間】

賄いが完成したらその後休憩ですが、休憩中も賄いの仕込みをやろうと思えばできます。
が、基本的には休憩を取らないと後が持ちませんので休んだ方が良いです。

ただ、賄いの食材も買い出しに行かなければならないため、実際は30分も休憩できれば上出来となります。

 

ディナー準備、ディナー営業、片付け

この辺は1年目と変わりなく行っていきます。

最終的にレジ閉め作業(売上集計)も覚えることができるのでホールではわからないことは一通りなくなっています。

翌日が賄いの仕込みで早いため夜も早めに片づけをし帰宅します。
それでも23時半くらいにはなってしまいます。

 

労働時間が7時~23時半までの生活を約3ヵ月

厨房とホールの行き来で拘束時間でいうと16時間以上、実労働時間は15時間以上の生活を3ヵ月続けます。

正式に厨房に入れれば毎日1時間くらいは短縮できるようになります。
そのため、筆者の場合は正式に厨房に入るまでに3ヵ月かかりました。

これは料理長のさじ加減なので入れない人はずっと入れません。

 

その後、3カ月で正式に厨房に入る

正式に入った後は賄い業務、前菜を担当する

フランス料理の場合、まずは厨房に入ったばかりの人は前菜担当になる場合が多いと思います。
前菜責任者の先輩の下についてサポートしながら賄い業務をこなす日々となります。

ここからはさらに時間の使い方を毎日考えなければ仕事についていけないです。
飲食業は1分、1秒の戦いが割と多いのでとにかく正確さとスピードが必要です。

ここから壁がいくつも立ちはだかっていきます。

 

入社して3年目以降に副料理長になる

いきなり飛びましたが、その後3年目以降に副料理長になります。
といってもたまたま運がよかったとも取れるので当時は肩書は特に気にしてませんでした。

フランス料理の最後の仕事はソースを作るところになると思います。
筆者の場合ここまで運よくストレートに学ぶことができたとも言えます。
ちなみにソースの味は特に料理長の腕が如実に表れるのでソースの美味しい料理長の元で働くととても勉強になります。

経緯は色々ありますが、ここからさらに料理以外の知識を勉強しようと思い始めます。

 

ICHI
正直、3年目からは時間に余裕ができます。
また立場上、出勤時間も周りよりゆっくりできるのでその時間を利用し筆者は勉強してました。
今後は筆者の知識を少しでもわかりやすく伝えていきます。

 

まとめ

  • 賄いで認められれば厨房に入ることができる
  • レストランの賄い当番は基本的に若手がやることが多い
  • 労働時間はさらに長くなる
  • 厨房に入ったばかりは前菜担当になることが多い
  • 時間の組み立て方(使い方)はとても重要

 

ICHI
筆者の思う飲食業の仕事のやり方のコツなども今後記事にしていきます。
また、全てが全てこういった環境ではないこともご理解ください。
労働時間だけ見れば過労死ラインとも取れると思いますが、筆者の場合1年間でどれだけ食べても1kgずつ体重が減っていきました。
逆に体型を気にすることがないと、プラスに考えていましたね(笑)