独立したい料理人/調理師が圧倒的に必要な数字/会計の知識について【簿記とは?】
飲食店経営に必要な知識とは?
飲食店経営に必要な知識というのは数多くあります。
ほとんどの方は【料理の腕】と思うかもしれませんが、【料理の腕】だけで独立を目指し、安定して店舗運営できるのは相当に限られたごくわずかなスターシェフのみです。
もちろん【料理の腕】だけで勝負することを否定しているわけでなく、独立での失敗リスクを限りなく低くするために他に何が必要なのか?といった角度で見ています。
仮に【料理の腕】に自信があり【会計の知識】が良くわかっていない状態で独立しようとすると、お金や数字で悩むことが出てきたときに解決するための引き出しが少なく失敗リスクが上がります。
知識があって信頼できる協力者がいれば問題ありませんが、いない場合などは一人で抱え込むことになります。
自分の引き出しや武器を多くするためにも、飲食店における【会計知識】というのは知っておいて損はありません。
会計の基本!簿記の知識について
まず最初に飲食店会計または経営について何から勉強すれば良いかと聞かれたら、私は間違いなく【簿記】と答えます。
【簿記】の知識があれば個人事業主レベル(小規模店舗)の会計知識はほぼ問題ないレベルになります。
いざ独立する場合も簿記の知識があればスムーズなはずです。
これは現在雇われている料理人であっても同じです。
最終的に料理長のポジションや、管理職になったときに会計の知識がなければ結果を出していくのがとても難しくなっていきます。
逆に、【料理の腕】と【会計の知識】をバランスよく身に着けることができると、飲食店経営の失敗リスクを最小限にすることができます。
簿記とは?
簿記とは、簡単に家庭で例えると家計簿を作ること、と同じことになります。
ただ家庭用の家計簿だと自分が見て分かればどんな書き方でもOKですし、誰かに提出する物でもありません。
これが企業レベルになると国に提出する正式な書類として作っていく必要があり、書き方も決まっています。
その企業版の家計簿を作っていく一連の流れ(方法)をざっくり簿記と呼んでいます。
ただし、簿記を一から勉強するのはかなり大変です。
日商簿記検定という資格もあり、3級~1級とありますが、3級レベルの知識でもただでさえ長時間労働の飲食店で働きながら勉強は相当に苦労すると思います。
そのため、ここでは日商簿記3級レベルの知識でかつ、飲食店に必要な知識だけをピックアップしてご紹介します。
家計簿との違い
家計簿であれば自分が見て分かればよいので書き方は人それぞれになりますが、大体はこのような形で書いていくのではないでしょうか。
以下は例文になります。
家計簿では
電気代として、2,000円を現金で支払った。
水道光熱費 | 2,000円 |
だいたいこのように書いていくと思います。
簿記では
電気代として、2,000円を現金で支払った。
借方 | 貸方 | ||
水道光熱費 | 2,000円 | 現金 | 2,000円 |
簿記になると同じ支出でも書き方がこのように変わってきます。
ちなみにこの作業のことを会計用語で【仕訳】と呼んでいます。
どんな取引もこの仕訳に当てはめて記載していくことになります。
また【借方】や【貸方】といった見慣れない言葉が出てきますが、この辺は特に意味がないので雰囲気だけ覚えればOKです。
全ては簿記に始まり簿記に終わる!
個人事業主で独立する場合も大企業の会計処理も全ては簿記に始まり簿記で終わります。
最初はとっつきにくいし、意味不明で挫折する人も多いですが、ここでは飲食店経営に特化した会計処理のみを紹介していきます。
色々な業種のパターンを覚えていくのは数をこなすしかないため、時間のない飲食業で働いている方は飲食店に特化したことだけ覚えればとりあえずOKです。
独立して小規模な個人店を経営するだけならまず困らない知識を身に着けていきましょう。