【飲食店】インバウンド依存の危険性,都内飲食店の今後について

都内の飲食店や地方の観光地ではすでにインバウンド依存の売上で構成されているところが多いです。
筆者のレストランでも最近では売上の約20%はインバウンドによる売上となり、数年前と比べて如実に上がっています。
しかしインバウンド依存による問題点は多く、日本のサービス業全般、日本経済の今後の危機感を一人一人しっかり考えておきたいです。
都内レストランの現役料理長である筆者が実際の現場の意見を元に今後の飲食店の在り方について語っていきます。

飲食店におけるインバウンド依存の危険性

インバウンドとは?

まず最初に用語について解説します。
【インバウンド】とは簡単に言うと【日本に来る外国人旅行客】のことです。

今の日本は外国人旅行客がとにかく増えております。
グラフで見てみましょう。

グラフで見てもわかる通り、2013年あたりからの伸び率がとにかく凄いです。

筆者レストランだけ見ても売上の約20%はインバウンドに依存している

筆者のレストランだけ見ても現在売上の約20%はインバウンド頼りになっています。
確かに年々売上は多少増えてはいますが、それ以上にインバウンドの割合が多くなっています。
割合から見ても日本人のお客が減って外国人が増えていると言わざるを得ません。

仮にインバウンド売上がなくなったときはどうなってしまうのでしょうか?

都内や観光地は現状ほとんどインバウンド頼りの生活になっている場合、とても危険だと筆者は考えます。
また、日本の外食における全ての消費金額の合計がほとんど横ばいなのに対し、インバウンドの消費金額の割合だけは増えています。

 

外国人がいないと生活できない従業員

筆者のレストランだけ見ても約20%がインバウンドで支えられています。
そう考えると筆者含め従業員の給与の約20%は外国人に支えられているということになってしまいます。

日本は実は主要国屈指の内需国家(日本人だけで賄える)です。

今までは日本国内で上手く経済を回して行けたのにこれからは外国人に頼らないと自分の生活ができないとも解釈できてしまいます。

未来を考えた時に本当にそれでよいのか?と筆者は疑問に思っています。

 

問題は売上は変わらないのに日本人客が減っていること

外国人客が増え、日本人客が減る

インバウンドが増え、それに比例して売上が伸びているのであれば良いとは思います。
しかし、現実は売上はほとんど変わらずインバウンドの割合だけが増えてしまっています。

つまり、日本人客の売上が下がった分インバウンドに支えられているということです。
売上だけ見ればほとんど変わらないと思いますが、内容はとても良いとは思えないのが現状です。

こうなってしまうと何か世界的にトラブルがあった場合にお店を維持するのが困難になると想像できます。

現実的に今コロナウィルス等の社会問題にはとても脆くなっています。

 

インバウンド客の90%以上は一見客

飲食店でのリピーター確保はとても重要な作業になってきます。

しかし、インバウンドのほとんどは常連にはなりません。
もちろん頻繁に日本に訪れる人も多くいるとは思いますが、月に1度来てくれるような常連になってくれるかと聞かれるとほぼいないでしょう。

そのため、インバウンド客は基本的に1度しかお店を利用してくれません。

インバウンドの割合が増えるということは必然的にリピーターが増やせなくなるということでもあります。

インバウンド一見さんの売上を増やすのと、内需でしっかりとリピーターを作って売上の地盤を固めていくのでは長期的に見ると後者の方が圧倒的に有利だと筆者は考えます。

 

インバウンドに向けた施策を行ってしまう

確かに目先の利益だけを追求した場合こう考えてしまうのは仕方ないとは思います。

企業やお店はどうしても売上を上げていかなければなりません。
そのため需要のありそうな方向に頼っていくのは仕方のないことです。

しかし、日本人の外食消費が減っているという現実をまずは何とかしなければならないと筆者は考えます。

 

筆者がこれからの飲食業で考えること

インバウンドに頼りすぎない

インバウンドに頼りすぎないということは日本人に多く来てもらうということになります。
現状、消費増税の影響などで飲食小売りは相当消費が少なくなっています。
それをカバーしているのがインバウンド売上になってしまっています。

そのためこれを解決するのはとても難しいです。

まずは身の回りからしっかりと長期的に考えていけるように促していきます。

従業員の給与を上げる

すぐにできそうなところは従業員の給与をとにかく最大限上げてあげることです
飲食店の給与はまだまだ低いです。

従業員=消費者ですから、筆者の身の回りだけでも最大限給与で還元できるような経営にしていきたいです。

使えるお金が増えるということは消費がどこかで増える可能性があります。
身の回りの従業員に還元することは日本経済にとってもとてもプラスです。

まとめ

  • インバウンドに依存した経営は長期的に見ると不安しかない
  • インバウンドは社会問題にとても脆い
  • 日本人の国内の外食消費金額が減っている
  • インバウンド客のほとんどは一見客
  • できるだけ従業員の給与は上げてあげる(消費を促す)

 

ICHI
社会問題や経済的なものと聞くと自分には関係ないと思ったり気にしないことの方が多いと思います。
しかし、自分の身の回りからしっかりと見ていくと全てがつながっています。
筆者個人でできることは少ないかもしれませんが、できる限りこういった問題を解決できるようにしたいです。