【飲食店】レストランの料理長は実際にどんな人がいるのか?

筆者は料理人を目指そうと思ったときに、実際にレストランやホテルの料理長、総料理長はどんな人がいるのか?と気になったことがあったので今まで出会った人をタイプ別で語っていきたいと思います。
実際に働くとなると色々な人がいるため、経験談として参考にしていただければ幸いです。
フランス料理店を中心とした料理長の話になるため違った業態の場合はまた違ったタイプの人もいます。

レストランの料理長は実際にどんな人がいるのか?

職人気質のスターシェフ

おそらくある一定のレベル以上のレストランになると【料理長】と言えばこの系統になってくると思います。
こだわりが強く、厳しい、妥協しない等々、料理人の世界で想像できる言葉が全て詰まった料理長です。

料理長は厳しいというイメージがあると思いますが、入って1年目のスタッフには優しいことが多いです。
というか、大きいレストランになると料理長と実際にそこまで絡むことがないため、厳しさも優しさも最初はわからないと思います。
料理人の世界に入って厳しくされるのは直属の先輩なので料理長自ら一番下っ端に教えを説くことはほとんどないです。

料理長が一番厳しく指導するのは中堅クラス又は2番手、3番手あたりかと思います。

こだわりがとても強いため、使う調理器具も料理ごとにセッティングが指定されています。
例えば、このソースにはこのスプーンのサイズと本数、この順番の配列、この位置、等
とにかく細部の細部まで全て決まっています。

普通ならそこまで細かくしなくても、といったようなことも許されません。

料理のレベルがとても高く、高すぎる故にお客に理解されないことも多少あります。
料理人から見たら超えられない壁が立ちはだかっていると思わざるを得ませんが、食べる側はよくわからないといったことはよくあることです。

高いレベルで料理人として歩んでいきたいのならこのタイプの料理長と当たるととても勉強になると思います。

 

毎日怒鳴っているパワフルシェフ

毎日怒鳴っているタイプの料理長もいます。
怒鳴られる人も特に決まっていないため、その場その場でミスがあれば怒鳴られるでしょう。
手を出すことが多いのもこのタイプかと思います。

スタッフをとことん追い詰めて成長させていくようなスタイルをとっていることが多いです。
特に標的にされるといじめレベルで徹底的にやられます。
スターシェフと違うところは、何か【オーラ】というか【雰囲気】そのものが違います。

料理長は常に現場にいることはあまりないのですが、このタイプは仕込みから営業中まで常に現場で目を光らせています。

逆にスターシェフタイプよりも親しく話そうと思えば話せるタイプでもあるので距離感は近いです。
人間的に合う人ならとても良い環境かもしれません。

 

可もなく不可もなく、特に干渉してこないシェフ

フランス料理のレストランでは厨房にしっかりと立って仕事に参加する料理長と全く参加しない料理長がいます。
どちらかというと営業中は参加する料理長がほとんどですが、2番手以降に全て任せて営業中も監視程度の料理長はいます。

このタイプは営業はほとんど2番手(スーシェフ)に任せて、大事なところのみ決定していくようなスタイルをとっていきます。
料理のメニューなどは料理長が決め、それを2番手に指示し、2番手が現場をまとめるといったスタイルです。
この方法はどの料理長でもやられることですが、この料理長に関しては2番手への信頼が特に厚いため全て任せられるような体制にしています。

そのため通常のスタッフからはそもそもあまり絡みがなくよくわからないといったイメージになってしまうことも多いです。

全体的には可もなく不可もないといったイメージになります。

 

優しいシェフ

特に優しいシェフもいます。
怒っているところも見たことがないくらいのレベルです。

優しく技術のあるシェフは下のスタッフからの信頼が厚くなるため人間性的に慕われます

普通に働く分には全く問題はないでしょう。
しかし他の料理長のように上を目指いしていく場合、物足りなさを感じることもあります。

高いレベルを求めるとなるとやはりそれなりの環境は必要だと筆者は感じます。

 

仕事ができないシェフ

料理長は本質的には仕事ができる人が多いですが、仕事ができないタイプもいます。
レストランや会社に長く属していて、コネや勤務年数で料理長になってしまう人も多くいるのです。

どんな料理長でもなんだかんだスタッフは尊敬している部分がありますが、このタイプは人間性によってはスタッフがどんどん離れていきます。
確かに、学べることがない料理長にスタッフがついていくかといわれると少し疑問ではありますが、、、

ただこのタイプの料理長には決まって仕事のできる2番手や3番手が存在し、実質指揮をとっています。

社会では仕事の出来ない上司の元につくと部下がよく育つ、と言いますがまさにこの典型です。
自分で考える力が付くためなんでもこなしていきたい人には実はとても良い環境です。

 

オーナーシェフ

筆者の周りでも独立開業している人は多くいます。
やはり独立する人は最初からやる気と向上心が違うことが多いです。

色々なことを器用にこなせたり、知識が豊富で人望が厚い人が多いですね。
経営学的な分野も理解しているところが多いので料理以外でも勉強になります。

こういったタイプの人が近くにいるととにかく勉強になるため将来独立したいといった方は独立心のある料理長の元で働くと良く伸びると思います。

 

料理長の年齢は?技量は?

料理長の平均年齢は35歳~50歳

私が見てきたレストランの料理長の平均年齢は30代後半から50代の方が多くいました。
ただ、チバでは20代で料理長になることも珍しくありませんし20代で独立開業しオーナーシェフになることも珍しくありません。

ホテルの場合だと早くても30代後半にならなければ料理長になることは難しいと思います。
ホテルの総料理長クラスになると50代以降がほとんどでしょう。
その点マチバならチャンスは多くあります。
マチバは離職率や独立する人の割合が多いため、有名店でも続けていれば必ずチャンスがあります。

筆者は20歳からフランス料理店で勤務し始めましたが24歳で副料理長になっています。
またその後、現在の上場企業都内レストランにて26歳から料理長をやらせていただいております。
続けていたからこそたまたま運よくチャンスが巡ってきたということですが、辞めていたらこういった人生は歩めません。

業界には上には上がいますのでとにかく若くして活躍したいと思う方は厳しくてもマチバのレストランで働くのが良いと思います。

ちなみに若い料理長ほど今風な考えになってくるため昔の職人的な考え方も多少薄れてきます。

街場(マチバ)とは?

 

現場で働いているスタッフの方が技量は上

現場で働いているスタッフの方が特定の技量に関して料理長より上だったりすることは多くあります。
現場のスタッフとずっと一緒に働いている料理長は別ですが、たまにしか参加しない料理長はやはり腕が鈍ります。

筆者もそうですが、腕は鈍っていくものなので毎日同じ作業をこなしているスタッフには敵わないこともあります。

 

まとめ

  • 料理長にも色々な人がいる
  • 料理長も人間なのでそれぞれ合う合わないは必ずある
  • 料理長の年齢は35~50歳付近が多い
  • 現場で働いているスタッフの方が料理長より技量が上なことはよくある

 

ICHI
筆者の経験上、記憶に残っている料理長の方々でした。
ちなみに料理長のことをフランス語でシェフと呼び、副料理長はスーシェフと呼びます。
たまに業者の人が誰彼構わず○○シェフと呼んだりすることがありますが現場の人間からしたら割と冷や汗ものです(笑)
料理人=シェフではないので気を付けましょう。
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